独自価値を “お客さんが払っていい価値” に翻訳する ―ストラックで考える私たちの次の一手
1.はじめに ― なぜ “価値の翻訳” が必要か
ネットショップが乱立し、AIも当たり前になった今、「なぜ
大川家具ドットコム で買うのか」
をお客さま自身が一瞬で説明できなければ、指はすぐ別サイトへ滑ります。そこで鍵になるのが、図にある MGのPVM、価格の内部構造 です。
領域 | 意味 | 例 |
---|---|---|
V | 変動費:他の人が作った価値 | 仕入れ代金、物流インフラ、決済手数料など |
M | マージン:自分たちが作った価値 | 付加価値 |
P | 販売価格 | お客さんが払っていいと思った価値 |
ゴールは、私たちの独自価値(M)を “買ってみてもいい理由(P)” へ変換すること。
2.V:他の人が作った価値 ― 市場の当たり前
赤いエリアは「既に世の中にあるから利用できる価値」。たとえば 宅配網の進化 や 商品の仕入れ は競合も同じ武器を持っています。ここで勝負しても差はつきません。
3.M:私たちが作った価値 ― 基本価値+独自価値
3-1.基本価値(青)
- 小売をする
- お客さま宅へ届ける
3-2.独自価値(黄)
- 国産と輸入の区別が一目で分かる – 迷わず選べる安心感
- 取扱点数が多い – ライフスタイルに合わせて選択肢豊富
- 工場組立の丈夫さ – 10年以上使える長寿命
- 有人チャットで即・的確対応 – 不安を即時解消
- 商品説明+FAQが充実 – 購入前の疑問を最小化
- サイズオーダー対応 – “家にピッタリ” を実現
- 検索上位表示 – サイト流入のハードルが低い
- 年2回のポップアップ – 実物で品質を体感できる
- 細かな要望に応える(上置き高さ・脚の長さ 等)
- 不要家具の引き取りサービス – 廃棄の手間ゼロ
4.P:お客さんが払っていいと思った価値
顧客が実際にお金を払う瞬間に感じている価値は、必ずしも私たちの言葉のまま届いているわけではありません。M → P の翻訳 が重要です。
独自価値 (M) | 翻訳イメージ → 顧客価値 (P) |
---|---|
国産・輸入の区別が明確 | 「選択ミスで後悔しない安心料」 |
工場組立の丈夫さ | 「10年後の買い替えコストがゼロ」 |
サイズオーダー | 「引っ越してもピッタリ=買い直さない節約」 |
不要家具引き取り | 「処分の手間と費用をゼロに」 |
5.M→P を加速させる 3 つの社内アクション案
- 全商品ページで「顧客の価値視点」の商品説明をする
例:〈長く使える理由〉〈品質や素材感の違い〉を先頭に配置 - ポップアップで “10年後の姿” を展示
なごみチェストの経年変化サンプルを置き、「長寿命=コスパ」の体験を可視化 - FAQを充実させる
現FAQを分析し、「後悔しないための質問集」に分類
6.まとめ
- ウチ独自の価値を未来永劫作り続ける。
- 独自価値リストはゴールではなく素材。
- Pに翻訳できた瞬間に初めて “買う理由” になる。
- 各チームで 「この施策は M→P を何%高めるか?」 を合言葉に、施策を設計しよう。
「ウチの強みを、お客さまの価値にする」――その翻訳者は私たち自身です。
【この記事を書いた人】
堤太陽(Taiyo Tsutsumi)
株式会社大川家具ドットコム代表取締役社長。宅地建物取引士
家具の町、福岡県大川市で生まれ育ち、新卒と同時に北九州市のマンション業者に就職。2003年に改正建築基準法によりシックハウス症候群への対処が求められ低ホルムアルデヒド建材の重要性を感じた。 2005年退職後4か月のヨーロッパ放浪。2006年より家業である家具卸を手伝っているうちに、大川市の基幹産業である家具製造の未来に危機感を感じ、「大川を再び家具で盛り上がる街にしたい」
という思いから、2006年に大川家具ドットコムというネットショップを立ち上げ、 大川家具を全世界に広げたいと模索中。
2019年 経営革新認定
2021年 JETROの越境EC「Amazon.com Japan Store」採択
2022年 「デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業」補助金採択
2023年 越境EC用英語サイト「https://shop.okawakagu.com/」開設
2024年 創立10周年式典開催・越境EC向けに世界へボカン株式会社と提携
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