引出しの引っ張り強度と地球環境
引出しの組み方にもいろいろあります。
今日は引出しの組み方の違いと強度の関係をお伝えします。
いま日本で流通している家具の引出しの組み方には大きく3つあります。
・ダボ組(引っ張り方向付け)
・ダボ組(箱組)
・あられ組
・あり組
これは強度の順で、あり組が一番強固に組まれます。
・ダボ組から説明していきます。
これがダボ組です。
木枠双方にダボという木杭のサイズに穴をあけ、
このダボで双方面を接着します。
ダボは水分で膨張する材を使っていますので、
接着剤の水分で膨張し強固にくっつきます。
同じダボ組でも箱組という組み方と前板が箱の一部になっている組み方がありますが、
強度は箱組の方が断然強いです。
これは、箱組という組み方で、引出しの箱に前板をくっつけている作り方です。
箱組にすると、引張方向に対して垂直にダボが入れられるので、
ダボの強度が生きます。
逆に、箱組ではない組み方にすると、ダボを引張方向と同じ方向に入れないといけないので、
接着力頼りになるので、強度はそれほど期待できません。
これは、材料板が一枚減るのでやはり安価な家具にこういう作りが多いです。
・あられ組(ロッキング組)
これは、くっつける板双方に凸凹の細工をし、
この凸凹同士が合うように接着します。
通常少し大きめな凸を作りますので、
人の力でくっつけるのも大変でした(体験しました)
・あり組
これは、くっつける板双方にくさび状の加工をしくっつけるときは少し斜めにして接着します。
箱を組んだ後の引張方向はくさびが効きかなり強固です。
婚礼家具などによく使われる方法でお嫁さんが嫁がれる先で一生使えるように作られた作りです。
こういった引出しの加工方法でも家具の持ちが変わります。
私たちは安価な家具を頻繁に買い換えていくのではなく、
長く使える家具を愛着もって長く使ってほしいと思っています。
ですので、価格は高いかもしれませんが、買い換える頻度や手間を考えると
長いスパンで見るといい家具を長く使った方がいいのではと思って販売しています。
地球環境なども考えると私はこういう考え方が正しいのではと思いますが、
考え方も人それぞれなので、押し付けたりはできません。
【この記事を書いた人】
堤太陽(Taiyo Tsutsumi)
株式会社大川家具ドットコム代表取締役社長。宅地建物取引士
家具の町、福岡県大川市で生まれ育ち、新卒と同時に北九州市のマンション業者に就職。2003年に改正建築基準法によりシックハウス症候群への対処が求められ低ホルムアルデヒド建材の重要性を感じた。 2005年退職後4か月のヨーロッパ放浪。2006年より家業である家具卸を手伝っているうちに、大川市の基幹産業である家具製造の未来に危機感を感じ、「大川を再び家具で盛り上がる街にしたい」
という思いから、大川家具ドットコムというネットショップを立ち上げ、 大川家具を全世界に広げたいと模索中。2019年 経営革新認定
2021年 JETROの越境EC「Amazon.com Japan Store」採択
2022年 「デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業」補助金採択
2023年 越境EC用英語サイト「https://shop.okawakagu.com/」開設